嬉し恥ずかし 百万ドルの無謀な旅
キッカケは友達の「どこか行きたいねー」だった。
最初は国内旅行を計画してたけど、
北海道へ行くか、沖縄にするかで
意見が分かれていた時に、
ニュースで香港が中国に返還される…
という事を聞き、
「返還されてしまう前の香港を見ておきたいね」と
何気なく零した一言で
香港行きが決定してしまった。
何も分からないままに
初の海外旅行という事もあって
旅行会社のセットプランをチョイス。
飛行機に乗る事も初めてだった私は
もう、何もかもが全て初体験。
見るもの、触るものすべてが珍しくて
子供のようにはしゃいでたっけ。
(それは今でも変わらないか…)
たった数時間のフライトなのに
空港の外へ出れば、もう完全な別世界。
どこかしこ見回しても漢字!漢字!英語!!
日本の匂いはなく、早くもプチホームシックに。
しかし、町に出てみれば
映画で見慣れた景色達に感動する私。
単純だなーと思いつつ、その異国の空気を
全身で感じ取ることに必死になった。
パックツアーは、分刻みで予定がビッシリ。
朝7時にホテルを出発、そして帰宅は23時過ぎ。
朝が早過ぎて、朝食を取り損ねて出発なんて日も…。
名産品の工場見学、水族館、公園、免税店と
数十人の人たちと団体行動。まるで社会科見学。
一番楽しみにしてた食事は
レストランの一室を貸しきっての飲茶バイキング。
しかし…バイキングと呼ぶには乏しい品数。
でも蒸篭で出されるちまきや大根餅は絶品だった。
やっぱり本場は一味違う。
自由行動といえば、30分位の買い物タイム。
当時19歳の私は、英会話は殆ど出来ず、
英単語を無理やり繋げての会話。
思った以上に、日本語が通じる事に驚いたっけ。
せっかく香港に来たのだからと
友達みんなでチャイナドレスを着ようと提案。
今までの買い物は、欲しいものを指差して
「How much?」で問題なかったけど、
チャイナドレスは、
形やサイズが豊富でコレが良いと即決できない…
赤地に金の刺繍が綺麗なチャイナを見つけたが
果たして入るかが心配……
試着をしたくて、咄嗟に出たのが
チャイナと自分を交互に指差して
「Try me? OK?」と。
店員さんは首傾げ、困り顔。
そして一緒に焦る私。
でも自由時間は残り僅か……。
あぁ…どうしよう…。
その後、何度も身振り手振りで
「Try me? OK?」を
繰り返し、やっと理解してもらえた。
「Ah-Ah- OK!OK!」と。
ようやく試着できたチャイナドレスは
ジャストサイズで無事お買い上げ。
英語の文法が分からなくても
数種類の単語しか知らなくても
身振り手振りで何とかなるものなんだなーと
いうことが分かって、正直ビックリした。
友達に話したら、よく平気だったね。と
苦笑いされたけど
友達とチャイナドレスを着て
写真を撮りまくって、香港の夜を満喫した。
中国に返還された後の香港は
まだ行った事ないけど、
9年以上経っているので、
あの頃と比べて景色も、
文化も変わってしまったんだろうな。
最近、ふと香港へ出かけたくなる。
豪華な夜景、あの賑やかな町並み…
そして美味しい料理の数々……
でも、その時はパックプランではなく
完全自由行動で!
ところで、ただ同然で海外旅行に行ける方法があるとしたら、あなたは知りたくないですか?